歯科衛生士と一口に言っても、その働き方は様々。働く場所によって、働き方が大きく異なるものです。働く場所によって異なる歯科衛生士の働き方をご紹介します。自分にはどんな医院が向いているのか?歯科衛生士として復帰したいけど、どんな医院が良いか?気になっている方はぜひご参考にしてください。
ニーズが高まる訪問歯科
訪問歯科はここ数年、歯科業界の中でもニーズが急上昇しています。10年ほど前の歯科衛生士学校では、訪問歯科、高齢者歯科、義歯ケアなどの内容はさほど取り上げられていませんでしたが、ここ数年は歯科衛生士学校の授業でも取り入れられ、高齢者の口腔ケア、咀嚼嚥下機能についての知識も必要となってきています。
訪問歯科での口腔ケアは歯科衛生士が中心となって行うため、訪問歯科の歯科衛生士求人も年々増えています。
訪問歯科での歯科衛生士の仕事
訪問歯科での歯科衛生士業務は、一般的な歯科医院での歯科衛生士業務とは大きく異なります。訪問歯科では、歯科衛生士の仕事は主に「口腔ケア」です。加齢や障害によってご自身で口腔ケアが難しくなった人に定期的に口腔ケアを行い、歯周疾患の予防、誤嚥性肺炎の予防などを目的に行います。
口腔ケアの内容は、一般的なスケーリング、PMTCとは異なり、口腔内用のスポンジやガーゼを用い、口腔内に残った食物の除去、プラーク、マテリアアルバの除去などを行います。また、義歯のケアや、本人、介助者に対するケアの方法指導なども行います。必要に応じて、口腔機能の検査や、咀嚼嚥下機能の検査、リハビリテーションも行うことがあります。
訪問歯科で働く魅力
訪問歯科での仕事は、一般的な歯科衛生士の業務とは異なるため、新たにその知識や技術を学ぶ必要があります。勉強しなくてはならないのが大変…と考えるかもしれませんが、逆に考えれば、ほとんどの人が訪問歯科未経験の状態で入職します。一般歯科で求められるようなSRPやTEKの技術などは必要とされないため、ブランクがあって、歯科衛生士として復帰するのに自信がない…と言う人にも復帰しやすい現場です。
また、歯科衛生士は一定の条件を満たせば、ケアマネージャーの資格取得試験を受けることができます。訪問歯科で経験を積み、将来的にケアマネージャーとして働くことを目標としている人もいます。
訪問歯科は、一般歯科に比べ、働く衛生士の年齢も高いところが多いため、一般歯科では若いスタッフばかりで合わないという40代、50代以降の歯科衛生士にも人気の職場です。子育てが終わり、歯科衛生士に復帰したいと考えている人にも、比較的復帰しやすい職場として注目されている訪問歯科。気になる方は一度、訪問歯科を見学してみてください。