ここ10年前後で日本の歯科事情は大きく変化してきています。特に、ここ10年~20年の間に日本の歯科は、積極的な治療から、予防を中心とした考え方に変化してきています。その変化に合わせて、歯科衛生士に求められるスキルも徐々に変化してきています。
歯科は治療から予防の時代に
歯医者と言えば、昔は歯が痛くなったら行くところ、虫歯を治療するところでした。ですが、近年は予防歯科の考えが浸透し、定期検診や、虫歯、歯周病を予防するために歯科医院に来院するという人も増えてきました。歯科医院側も、昔は虫歯を見つけて削る、駄目になった歯は抜く、という方針でしたが、最近は、虫歯にならないようにするための処置を行う、出来る限り歯は抜かずに保存するという考えに変化してきています。
歯科医院では仕事の分担化が進んでいます
最近の歯科医院では、歯科衛生士と歯科助手の仕事の分担化が進んできています。以前は歯科助手と歯科衛生士の仕事区分があいまいな医院も多かったのですが、最近では歯科助手はアシスタント、受付業務。歯科衛生士は予防処置、歯周病治療と、しっかりと分担されている医院が増えてきました。そのため、歯科衛生士が歯科医師の治療のアシスタントについたり、受付業務を行うということが減り、その分予防処置や歯周病治療に専念することを求められるようになってきています。
歯科衛生士には予防処置、歯周病治療のスキルが必要に
予防歯科を行う上で、歯科衛生士によるクリーンニングや、歯周病治療(SRPなど)は必要不可欠です。歯科医院によっては、歯科衛生士は専用のユニットで1日中、スケーリングやSRPなどの予防処置、歯周病治療業務を行うところもあります。歯科ユニットメーカーからも、歯科衛生士の予防専用ユニットも販売されています。予防歯科では、定期的なクリーニングで虫歯や歯周病を未然に防ぐ、歯周病治療で歯を失うリスクを減らすということが大切な治療の一つになっています。そのため予防歯科では歯科衛生士の予防処置、歯周病治療スキルは必要不可欠なのです。